――― 大浦さんのお仕事を教えてください。
サイトマーケティングコンサルタントとして、中小企業さんとお客さんとの、サイトを使ったコミュニケーションをお手伝いしています。
その会社さんらしさ・商品・サービスが、求めている方々にスムーズに伝わることで、買い手であるお客さんも幸せになり、売り手となるクライアントさんたちも売上・利益が上がる、というサイト作りを中心に仕事をしています。
――― 現在のお仕事をするようになったきっかけを教えてください。
一番最初にサイトを作ったのは、父の会社での仕事でした。
実家はお寺や神社を建てる建築会社ですが、サイトがなかったのでそろそろ作ろうかということになりました。
そのときは色々試行錯誤しながら作ったのですが、実際に作って検索広告を出してみると、今までこんなに「出会うべきお客さん」がいたのに、お客さんに気づかせることなく、目の前を通り過ぎさせてしまっていたんだなと気づきました。
我が父の会社ながら、父や大工さんが建てる建物はすごくきれいだなと思っていたので、知ったら喜ぶお施主さんたちがいっぱいいるはずなのに、今まで全然伝えられていなかったんだということに愕然として…。
そして、父の会社に限らず、世の中に伝わったら喜ばれる商品・サービスをお持ちなのに、伝えられていない中小企業さん、そして商品・サービスに出会えていないお客さんが、いかに多いかということを痛感しました。
そのような原体験とその後のご縁で、中小企業さんの伝わっていない強みや”らしさ”、求められている商品・サービスを世の中に伝えるのが、私の使命なんだと直感してこの世界に入りました。
――― 「『伝わっていない』を解決したい」という想いが、フローマーケティングさんのホームページからも伝わってきます。
ありがとうございます。
起業してから9年となりますが、その想いを中心において、仕事をしています。
マーケティングの世界では、「売上・利益を上げよう、お客さんに買わせよう」として、サイトを作りがちですが、売上や利益が上がるというのは、お客さんに伝えるべきことが伝わった「結果」であって、「目的」ではないと思っています。
もちろん、マーケティングのゴールは「買ってもらうこと」ですので、売上・利益が上がらないと、私の仕事の意味がなくなってしまうのですが、そのためには「お客さんが何を知りたいか」「クライアントさんがどういう強みや”らしさ”、商品・サービスを持っているのか」をわかりやすく伝える、ということを第一に考え、仕事をしています。
――― 一方、自分たちの強みや”らしさ”は、自分たちではわかりにくいということもあります。大浦さんはどのようにクライアントさんの強みを引き出していくのでしょうか。
マーケティングの場合は、お客さんは常に競合他社や替わりの選択肢と比べて検討しているので、強みも相対的なものになるんですよね。
ビジネスでは、お客さんに競合他社との比較の中で選ばれて買ってもらい、売上が入らないと、会社は生存していけません。
市場の比較の中で、自分たちがどういう使命や役割を果たせるのか、ということが企業の存在意義になっていきます。
そのため、もちろん直接クライアントさんにお話を伺ってヒアリングしたり、お客様の声を読んだりもしますが、同時に、競合他社の状況をリサーチして、競合の強み・弱みも一緒に見ていきます。
いい・悪いではなくて、それぞれの企業に役割や使命があり、また買う方にも色々な価値観や好み・求めているものがありますので、それを相対化して見つけていく、ということをしています。
――― 当社のホームページの制作に携わろうとおもったきっかけは?
きっかけはご紹介でしたが、代表の八木さんがずっと「みんなが幸せになるには」と、組織のことを研究してらっしゃり、またそれを実践しているということは存じ上げていたので、ぜひお手伝いしたいなと思いました。
それを形にして伝えるお手伝いができるなら、コンサルタントとしてこんなにうれしいことはないなと思い、ありがたくお受けしました。
結果として、ユニティさんらしいサイトができたことをうれしく思っています。
――― ホームページ制作の過程を通じて感じた、私たち社員の雰囲気や印象があれば教えてください。
やっぱり皆さん、ユニティガードシステムという会社が大好きなんだなと思いました。
いい意味でこだわりが強い(笑)。
そして、教育にかける想いや働く人を大切にしていること、ダイアログバーなど様々な具体的活動を知り、経営理念の「みんなが幸せに生きる」を実践している会社さんだなと感じました。
また、原稿作成時のさまざまなやりとりでも、「お客様のご要望を自分ごととして捉え、全力で解決し、お応えする」という姿勢が、企業文化としてしっかり根付いている会社さんなんだな、ということを端々で実感しました。
――― ホームページ制作には、デザイナーさん・コーダーさんなど様々な専門家の方に携わっていただきました。1つのチームとして仕事を進めていく上で、大浦さんが大事にしていることを教えてください。
クライアントであるユニティさんはもちろん、チームの皆さんが気持ちよく、幸せにお仕事してくれたらいいなと思いながらやっています。
ただ、その場合でも、一番大事なことは、「お客さんにとって、求めている情報がきちんと伝わるサイトかどうか」、ここだけは私のポジションでは絶対に妥協してはいけないところだと思っています。
妥協してしまうと、お客さんだけでなく、ユニティさんにとっても伝わるサイトにならないし、得られる反響が小さくなってしまうので、そこは妥協なく、チームの皆さんに頑張っていただく。
皆さんに気持ちよくスムーズにお仕事をしていただくということと、妥協せずに追い求める、ということのバランスを大事にしていました。
――― 今後の当社に期待することがあれば、教えてください。
サイトは出来上がるのがゴールではなく、出来上がってからが新たなスタートです。
実際、どんなに考えて一生懸命つくっても、公開するまではそれは仮説でしかありません。
公開したサイトを見て、お客さんから実際の問い合わせや見積依頼などがくるわけですが、そういったお客さんのリアクション、市場からのフィードバックを取り入れて、御社の中で消化し、時には、商品・サービスレベルで取り入れていくこともあるかと思います。
それができると、会社としてどんどん強くなっていくので、お客さんからのフィードバックを取り入れつつ、またその結果を発信していく、という、サイトを使った「マーケティングサイクル」をぜひ回していってほしいし、ユニティさんだったらきっとそれができると思っています。
市場からのフィードバックを得たからこそ、今後、商品やサービス自体も変わっていく可能性も十分あると思います。
期待しています。
――― 最後に、これからホームページを制作又はリニューアルしようと思っている方、現在のマーケティング・集客方法に不安を感じている方に向けて、もしアドバイスがあればお願いします。
まずは、お客さんにとって、自社が市場の中でどういう役割や使命を果たしてあげられるのか、自分たちならどういうお客さんをどう幸せにしてあげられるのか、を知ることが一番最初です。
それはまさに、会社の存在意義を知るということだと思います。
そしてそのためには、集客やサイト制作のプロに任せっきりにせず、現場・お客さん・自社のことをいちばんよく知っている「売り手」のみなさんが主体的にプロジェクトに関わり、考えていくことが必要です。
それさえあれば、ホームページの制作会社さんも、どのようなコンテンツで、どう導いていったらよいかがわかりますので。
また、買う気のお客さんほど、抽象的なとおりいっぺんの情報ではなく、具体的でリアルな情報を求めています。
サイトのコンテンツ原稿も、ぜひ、現場のリアルをいちばん知る売り手のみなさんが主体となって書いてみることをおすすめします。
プロの客観的な視点も借りながら、自社のポジション・役割・使命を見つけ、それを、売り手にしか書けないリアルで具体的なコンテンツで、市場で待っててくれているお客さんに、思いをもって伝えていくことにぜひチャレンジしていただけるといいなと思います。
――― 大浦さん、貴重なお話をありがとうございました。あらためて感謝いたします。